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団体信用生命保険の特約は付ける?付けない?メリット・デメリットをわかりやすく解説
住宅ローンを組む際に加入を求められるもの、それが団体信用生命保険です。
例外として団体信用生命保険への加入が任意となっている金融機関もあるのですが、多くの金融機関では加入が必須とされています。
しかし、初めて住宅ローンを組む方の中には「そもそも団体信用生命保険って何?」と困惑している方もいらっしゃるかもしれません。
団体信用生命保険には特約なども用意されており、加入することで得られる特典もあります。
そのため、団体信用生命保険について理解を深めておくことは重要です。
今回の記事では、団体信用生命保険がどのようなものなのかはもちろん、特約やメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
団体信用生命保険がどのようなものなのか全くわからないという方に向けて説明するので、これから住宅ローンを組む方はぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
住宅ローンにおける団体信用生命保険の役割とは
まずは住宅ローンにおける団体信用生命保険の役割について理解する必要があります。
団体信用生命保険とは、簡単にいえば「万が一の際に住宅ローンを肩代わりしてもらえる保険」のことです。
たとえば、住宅ローンの契約者本人が高度障害を負ったり死亡したりした場合、住宅ローンの返済が困難になります。
その際、団体信用生命保険に加入しておけば、残りの住宅ローンを肩代わりしてもらえるのです。
当然ながら、高度障害や死亡と認められない限りは団体信用生命保険も適用されませんが、条件さえクリアすれば保険金が支払われます。
保険金は住宅ローンの残高と同じ金額を出してもらえるので、結果的に住宅ローンを肩代わりしてもらえるというわけです。
住宅ローンを提供している金融機関も契約者本人の返済が滞ることを恐れています。
だからこそ、多くの金融機関では団体信用生命保険への加入を審査通過の条件としているところもあるのです。
そう考えると、団体信用生命保険は単に万が一に備える保険というより、住宅ローンを契約するために必要な保険と覚えておくのが良いかもしれません。
団信に加入するメリット
次に団体信用生命保険に加入するメリットを見ていきましょう。
- 住宅ローンを契約できる
- 家族の負担にならない
- 完済済みの家を残せる
- 特約も活用できる
▼住宅ローンを契約できる
団体信用生命保険は金融機関の多くが加入を必須としているため、加入していない場合は申請や却下されることもあります。
しかし、その一方で、団体信用生命保険に加入さえしておけば、住宅ローンを契約できます。
もちろん、住宅ローンの契約にはそのほかにも審査があるため、団体信用生命保険に加入していれば必ず審査に通るというわけではありません。
それでも団体信用生命保険に加入すれば住宅ローンの最低条件はクリアできます。
▼家族の負担にならない
もし仮に契約者本人が高度障害・死亡によって働けなくなった場合、団体信用生命保険に入っていないと大変なことになります。
たとえば、残りの住宅ローンが数千万円残っている状態で返済できなくなった場合、家族が返済を肩代わりしなくてはなりません。
そうなると、パートナーはもちろん、子供や孫にまで迷惑をかけてしまうこともあります。
それを避けられるというだけでも団体信用生命保険は大きな魅力があります。
▼完済済みの家を残せる
団体信用生命保険は返済不可となった時点で残りの住宅ローンを肩代わりしてくれるため、完済済みの家だけが残るかたちとなります。
これは残された家族を守るための保険でもあるため、支払いができなかったからといって差し押さえされることもありません。
むしろ完済済みの家が残るため、家族を路頭に迷わせることもないのです。
▼特約も活用できる
団体信用生命保険は生命保険の一種であり、特約も活用できるのが特徴です。
特に、もともと生命保険に加入していたという方であれば、一部とはなってしまうものの補償範囲をカバーできます。
また、団体信用生命保険に加入しておけば最低限の生命保険を確保しているのと同義なので、必要に応じて既存の生命保険を見直すのにも役立ちます。
団信に加入するデメリット
次に団体信用生命保険に加入するデメリットについても見ておきましょう。
- 保険料が上乗せされる
- 途中解約できない
- 保険金に厳しい
▼保険料が上乗せされる
団体信用生命保険は住宅ローンとセットで契約するものが多く、無料のものもある一方で有料のものもあります。
その場合は保険料の支払いも必要です。
住宅ローンは数千万円単位の返済総額を毎月のように支払っていくわけですが、そこに団体信用生命保険の保険料も上乗せされるというのは経済的負担となります。
▼途中解約できない
団体信用生命保険は、原則として住宅ローンを完済するまで途中解約できません。
そのため、契約者本人のライフステージが変化した際も同じ条件でずっと返済していかなくてはならないのです。
▼保険金に厳しい
契約者本人が高度障害・死亡で働けなくなった場合に保険金が下りるのが団体信用生命保険の特徴ですが、これは誰でも支払われるということではありません。
あくまでも高度障害・死亡と認められたケースに限ります。
そのため、語弊があるかもしれませんが、中途半端な怪我や病気に関しては保険金が下りないこともあります。
団体信用生命保険の特約の種類
団体信用生命保険には特約があると前述しましたが、この特約にはいくつかの種類があります。
実際に現在進行形で特約は変化しており、今後も多種多様な特約が生まれる可能性があります。
以下はその中でも代表的な特約の種類です。
- がん保障特約
- 三大疾病特約
- 八大疾病特約
- 十一疾病特約
- 全疾病特約
以上が団体信用生命保険の特約の代表的なものです。
なかでも三大疾病特約は代表的な特約とされ、団体信用生命保険に加入する際に一緒に申し込むという方もいます。
これらは金融機関ごとに用意されているものが異なり、契約する金融機関によっては特約を用意していないこともあります。
そのため、必ず住宅ローンの契約をする際には、団体信用生命保険とその特約についても確認しておきましょう。
団体信用生命保険の三大疾病特約とは
団体信用生命保険の中でも三大疾病特約は多くの方が加入するものなので、より詳しく知っておく必要があります。
まず、三大疾病特約とはどのような怪我や病気に対応しているのかというと、以下の3つが対象となります。
- がん
- 脳卒中
- 急性心筋梗塞
以上は日本人の三大疾病とも呼ばれ、高度障害や死亡のリスクが非常に大きいです。
この三大疾病に備えて加入するのが団体信用生命保険の三大疾病特約です。
この特約を活用すれば、がんと診断された場合はもちろん脳卒中や急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上続いた場合に保険金が下りるという仕組みです。
なかには一定期間だけ住宅ローンの返済を負担してくれ、それ以上症状が続くことで完済されるものもあります。
団体信用生命保険の三大疾病特約は日本人が患いがちな三大疾病をカバーできるため、加入しておいて損はありません。
ただし、その場合は保険料が上乗せされるため、そこも織り込み済みで返済計画を立てましょう。
年齢とともに高まる三大疾病のリスク
日本人に限らず、年齢を重ねれば誰でも怪我や病気のリスクは高くなります。
20~30代は元気に仕事をして住宅ローンを返済できたとしても、40代を超えてくると徐々に衰えていきます。
そこから50~60代に入ると、何かしらの怪我や病気を常に抱えていきる状態になることもあるくらいです。
そういったリスクに備えて活用すべきなのが、団体信用生命保険の特約です。
ここからは団体信用生命保険の中でも三大疾病特約に加入するメリット・デメリットについて、それぞれわかりやすくまとめます。
特約をつけるメリット
団体信用生命保険は一般的なものを一般団信とよびます。
これは、前述した通り、高度障害や死亡で働けなくなった場合に保険金が下りる保険です。
しかし、実は、一般団信だけだと保障内容が薄いのです。
たしかに残りの住宅ローンを肩代わりしてくれると言えば、聞こえは良いですが、がんや脳卒中や急性心筋梗塞になっただけでは保険金が下りない場合もあります。
その保障内容をより充実させるためのものが特約だと思っておきましょう。
つまり、特約をつけることで保障内容がより厚くなり、予測不可能な怪我や病気にも備えられるわけです。
仮に三大疾病特約であれば「がん・脳卒中・急性心筋梗塞」に備えられますし、八代疾病特約であれば「高血圧・糖尿病・肝硬変・慢性腎不全・慢性膵炎」にも備えられます。
それこそが団体信用生命保険に特約をつける最大のメリットとなります。
特約をつけないデメリット
団体信用生命保険にさえ加入すれば住宅ローンは契約できる場合もあるため、必ずしも特約をつけなくてはならないということではありません。
しかし、特約がない場合、万が一保険金が下りる条件に該当しない場合、困窮した事態に追い込まれることがあります。
たとえば、一般団信にしか加入していなかった場合、がんや脳卒中や急性心筋梗塞になっても保険金が下りないこともあるわけです。
なかにはより保障内容が充実しているワイド団信などもあるのですが、ワイド団信でもカバーできない怪我や病気も多々あります。
特に、働けなくなるほどの怪我や病気であっても特約をつけていないことによって保険金が支払われないということもあるわけです。
そうなれば、せっかく団体信用生命保険に加入していても無意味になってしまいます。
三大疾病特約にかかる保険料
では、団体信用生命保険の特約の中でも特に多くの方が加入している三大疾病特約の保険料はどのように決まるのでしょうか。
これに関しては加入する金融機関によって変わるので確かなことはいえないものの、保険料は約0.25~0.3%前後上乗せされる場合が多いです。
金融機関によっては団体信用生命保険の保険料がかからないところもあるのですが、もし団体信用生命保険の保険料もある場合はそれに加えて特約の0.25~0.3%ほどがかかってくるということです。
特に、住宅ローンとは別途で支払う団体信用生命保険だった場合、金利と保険料の支払いが合算されることもあります。
これら特約にかかる保険料は金融機関によって異なるため、まずは契約する予定の金融機関の相談窓口に聞いてみましょう。
もしくは工務店やハウスメーカーのほか、ファイナンシャルプランナーなどお金の専門家に相談するのもおすすめです。
三大疾病特約をつけるべきかどう判断する?
一般団信など通常の団体信用生命保険であれば、実は無料で住宅ローンの契約に組み込まれているものもあります。
それら一般団信は高度障害や死亡しかカバーできないのですが、セットで契約できるのであれば入っておいて損はありません。
ただ、問題となってくるのが三大疾病特約など、別途で加入すべきか考えなくてはならない特約です。
これらの特約は三大疾病特約に限らず、八大疾病特約や十一疾病特約などがあります。
当然ながら、カバーできる範囲が広い特約にすればするほど、保険料も上乗せされます。
それでいて、一度つけた特約は原則外せないため、住宅ローンの返済総額も増してしまうのです。
だからこそ、以下3つの点を加味して特約をつけるかどうか考えてみましょう。
- ほかの保険に入っているかどうか
- 返済総額が増えても構わないかどうか
- 契約するに値する住宅ローンなのかどうか
がん保険や就労不能保険、生命保険など他の保険に入っている場合は必ずしも特約をつけるべきとはいえません。
むしろ、ほかの保険でカバーできるのであれば団体信用生命保険は最低限のもので十分です。
ただし、逆に返済総額が増えたとしてもリスクに備えたいということならワイド団信はもちろん特約のある団体信用生命保険に加入するのも手です。
最後に、団体信用生命保険ありきで考えるのではなく、そもそも魅力のある住宅ローンなのかどうかを精査することも重要です。
金融機関が提供する住宅ローンは金融商品の一つなので、金融機関ごとに条件も異なります。
それらを細かく比較検討することで契約に値する住宅ローンなのかどうかを判断し、そこから団体信用生命保険が必要なのかどうかを考えておくと失敗しません。
まとめ
団体信用生命保険は住宅ローンを契約するなら必須ともいえる保険です。
これらは近年、どの金融機関も加入を条件とすることが多く、なかには有料だけではなく無料のものも用意されています。
しかし、それら一般団信やワイド団信だとカバーしきれない怪我や病気もあるため、特約をつけるかどうか精査する必要があります。
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