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家の建て替えを検討するタイミングは?費用や注意点・建て替え時期を延ばす方法も解説
どんな新築の家でも、老朽化は避けられません。
いずれは、住みにくさを感じて「建て替え」を検討するときがやってきます。
ただ、家を建て替えるとなれば高額なお金が必要ですから、そのタイミングに迷われている方は少なくないでしょう。
では、戸建住宅における建て替えの適切なタイミングとは、どんな時なのでしょうか。
建て替えにかかる費用相場や注意点も含め、詳しく解説します。
戸建住宅の建て替えを検討するタイミング
戸建住宅の建て替えを検討するタイミングは、人それぞれ事情が異なります。
ここでは、建て替えを検討するに至った主な理由について紹介します。
家の老朽化が進んだ
新築の家でも築30年も経てば、老朽化する箇所が現れます。
たとえば、屋根や外壁のひび割れが原因で雨漏りが生じたり、シロアリ被害で家の土台が脆くなったり、フローリングの床がきしむようになったりと、どこかに不具合が生じてくるでしょう。
こうした不具合の箇所が増えて、住みにくさを感じたときが建て替えのタイミングといえます。
耐震基準を満たしていない
1981年5月以前に建てられた家のなかには、現在の新耐震基準を満たさない建物も少なくありません。
基準を満たさない家は、昨今増えている大地震に襲われると、大きな被害を受ける可能性があります。
もっとも、耐震補強工事により安心して住める家に改築することも可能です。
ただ、築年数の古い家ほど工事費用は高くなりますし、より安心して暮らせる家を求めて建て替えを検討される方もいらっしゃいます。
家族構成やライフスタイルの変化
家族が増えて現在の家では手狭になったり、子どもたちが独立して不要な部屋が増えたりと、家族構成の変化にあわせて建て替えを検討される方も多いです。
最近では、親の介護が必要になることを見越して、二世帯住宅への建て替えを検討される方も増えています。
また、ご自身のライフスタイルの変化から建て替えを考える方もいらっしゃいます。
たとえば、高齢になってから家の管理負担を軽くするために平屋の家に建て替えたり、古くて使いづらい水まわり設備の更新を機に建て替えたりと、「今の自分」「これからの自分」に必要な家を検討される方も多くなっています。
リフォームでは対処できなかった
最初はリフォームを検討していたものの、さまざまな問題から「建て替えることにした」という方も、たくさんいらっしゃいます。
たとえば、建物の構造によっては柱や壁を取り除くと耐震性に影響するため、間取りの変更ができないことがあります。
また、リフォーム箇所が多くなると費用も高額になりますから、「だったら、建て替えた方が良い」と判断される方もいらっしゃいます。
なかには、リフォーム工事を始めてからシロアリ被害が見つかり、土台改修の追加工事や費用が増えることから建て替えを選択するケースもあります。
戸建住宅の建て替えにかかる費用
戸建住宅の建て替えには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、家の建て替え費用の平均額は、4,487万円だそうです。
初めて注文住宅を取得する人の平均額は、土地代も含めて5,436万円ですから、土地代がない分、建て替えの方が割安であることがわかります(※)。
とはいえ、建て替えには新築工事費のほかにも、既存の建物の解体費や仮住まいの費用なども必要です。
ここで、建て替えに必要な費用内訳について、相場も含めて説明します。
(※)出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf
解体工事費
解体工事の相場は、建物の構造や広さ、立地条件などの条件によって異なります。
一般的な家の場合、木造は約5万円/坪、鉄骨造なら約7万円/坪くらいが相場です。
30坪の木造住宅の場合、解体工事費は約150万円が目安になります。
解体工事費は業者によっても異なりますから、見積もりを依頼した上で確認しましょう。
仮住まいの費用
仮住まいに必要な費用は、引っ越し先や工事期間によっても異なります。
仮に、賃貸住宅を仮住まいとする場合、敷金・礼金・仲介手数料のほか、工事期間中の家賃が必要です。
なお、建て替えにかかる期間は解体も含めて約6ヵ月が一般的です。
このほか、引っ越し代もかかります。引っ越し代は、「既存の家から仮住まいへ」「仮住まいから建て替えた家へ」と2回分必要です。
これらを含めると、仮住まいの費用は100万円前後になることが多いようです。
地盤調査費・測量費
新築の建物を建築する際には、地盤調査が必要です。
調査費用は5~10万円くらいが相場ですが、調査の結果、地盤改良が必要になった場合はその工事費用も別途かかります。
このほか、現況測量図が残っていない古い物件では、敷地内の高低差や隣地との境界などを測量した方が良いでしょう。
測量費の目安は、20~40万円くらいです。
新築工事費
新築工事費は、どんな家を建てるかによって大きく異なります。
「坪単価」を公表している施工会社であれば、目安の額を把握できるでしょう。
仮に、坪単価が80万円の施工会社で30坪の家を建てるとすれば、工事費は2,400万円です。
こちらも解体工事費と同じく、施工会社に見積もりを依頼した上で確認するのが確実です。
なお、施工会社と契約する際には工事請負契約書に貼付する印紙税も必要です。
納税額は、工事費によって異なります。
一例として、1,000万円を超え5,000万円以下の場合の印紙税は、2万円です。
登記費用
建て替え時に必要な登記には、3種類あります。
建物を解体したときには「建物滅失登記」、新しい家が完成した時には「建物表題登記」、そして新しい家の所有者を登録する「所有権保存登記」です。
このほか、住宅ローンを利用する方は「抵当権設定登記」も必要です。
これらの登記は自分で対応することも可能ですが、司法書士などに依頼する場合は報酬も別途用意しなければなりません。
登録免許税とあわせた登記費用の相場は、20~30万円くらいです。
不動産取得税・火災保険料など
建て替えの際にも、不動産取得税が課せられます。
納税額は、建物の固定資産税評価額の4%です。
なお、不動産取得税には軽減措置があり、納税額が減額されることもあります。
また、新築の火災保険料・地震保険料も必要です。保険料は、契約プランや建物の構造、地域などにより異なります。
目安の額は、保険料の比較サイトなどを使って確認すると良いでしょう。
このほか、住宅ローンを利用される方は、事務手続きの手数料や保証料もかかります。
これらの額は金融機関によって異なりますから、借り入れを検討している銀行などに確認しましょう。
戸建住宅の建て替えの注意点
戸建住宅の建て替えを検討する際は、事前に確認しなければならない注意点がいくつかあります。
以下の点をクリアした上で、検討を進めましょう。
そもそも再建築できる土地か?
今まで家が建っていた土地でも、法律や条例の改正により再建築ができなくなっている場合があります。
特に築年数の古い家は、建て替えができる土地かどうかを、まず確認することが大切です。
一例として、「土地に接する道路幅が4m以上で、その道路に2m以上接している土地」でなければ、再建築できません。
これは建築基準法で定められた法律です。
同じ広さ・高さの家を再建築できない場合がある
建ぺい率や容積率が変更されていないかも、チェックしたいポイントです。
これらが変更されていると、同じ建築面積・延床面積の家を再建築できないことがあります。
また、斜線制限や日影規制などの条例により、建物の高さが制限されたり、建物の北側上部に斜めの欠けを作ったりと設計の変更が求められることもあります。
自治体や施工会社に確認し、どんな家なら再建築できるかもあらかじめ確認しましょう。
地盤改良が必要な場合もある
2000年の法改正で、新築時には地盤調査の実施が義務化されました。
これ以前に建てられた家の中には、地盤調査を実施していない土地もあるでしょう。
調査の結果、地盤改良が必要となれば、追加の工事費が必要です。
安心・安全な家を建てる上で必要な費用ですから、建て替え時の資金計画は余裕をもって準備することもポイントです。
資金計画の注意点
建て替え工事にかかる費用の支払いは、複数回に分けて行うのが通例です。
たとえば、解体工事後には業者への支払いがありますし、新しい家を建てるときも着工金や中間金など工事の進捗にあわせて支払いが生じます。
いつ、いくら支払うかを事前に確認し、準備しておきましょう。
なお、住宅ローンを利用する方は、融資の実行が引渡し後になりますから、解体工事費などは自己資金で賄わなければなりません。
資金が足りない場合は、つなぎ融資の利用も検討しましょう。
近隣住民への配慮も忘れずに
解体工事や新築工事の際には、大きな音や揺れなどが近隣に伝わる可能性があります。
特に解体工事では粉塵も発生するため、これが近隣トラブルに発展するケースも少なくありません。事前に挨拶して回ることも、忘れないようにしましょう。
戸建住宅の建て替えを先延ばしするには?
どんな頑丈な家でも、経年劣化は避けられませんから、建て替えをするタイミングが必ずやってきます。そのタイミングを少しでも先延ばししたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
建て替えのタイミングを先延ばしするには、普段の生活で適切な時期にメンテナンスを実施するのが効果的です。
たとえば、屋根や外壁の塗装工事を実施したり、シロアリ対策として防蟻工事したりと、日頃からメンテナンスをおこなうことで、家の寿命を延ばすことにつながります。
また、こまめな清掃も大切です。家をきれいに保つだけでなく、外壁のヒビや雨どいの詰まりといった不具合を発見しやすくなり、適切な対応をすることで家の寿命を延ばせます。
長く安心して過ごすには、愛着を持って家を守ることが大切です。
まとめ
建て替えのタイミングは人それぞれですが、年齢で見ると「50代がベター」といわれることがあります。
40代だと、住宅ローンの返済が残っていたり子どもの教育費がかかったりと、資金的に余裕がない人が多いです。
かといって60代になると、ローンの借り入れが難しかったり気力や体力面で検討できなかったりする方も多いでしょう。
50代なら、ほかの年代と比べてライフイベントも少なく、資金面でも老後を見据えた家づくりを考える余裕があります。
現在、住んでいる家の不満を改善したい方は、建て替えも検討されてはいかがでしょうか。
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