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家の建て替えにはいくら必要?建て替えの流れや必要な費用、リフォームとの比較をまとめました
ライフスタイルの変化などに対応できず、古くなった家の「建て替え」を検討される方は多いと思います。
ただ、建て替えとなれば多くの費用が必要ですし、比較的に安く抑えられるリフォームと迷っている人も少なくないでしょう。
ここでは、家を建て替えるときの流れや目安の費用、リフォームと比べるときのポイントなど、建て替えを検討する際に知っておきたい基礎知識をお伝えします。
建て替えの前に確認しておくこと
築年数の古い家の建て替えを検討するときに、あらかじめ確認しておきたいことがあります。
それが、法律や条例的に「再建築できるか」という点です。
建築基準法や自治体の条例などの改正により、現行の基準では再び同じ家を建てられない土地もあります。
たとえば、接道義務。土地に接する道路の幅が4m以上あり、かつ土地に2m以上接していなければ再建築不可、つまり家を建てられません。
また、建ぺい率や容積率が変更されて、現在の家と同じ建築面積や延床面積で再建築すると、条例違反(既存不適格建築物)になるケースもあります。
ほかにも、隣地に新しい建物が建ったことで、建て替える家の建物の高さや大きさ、位置などが制限される可能性もあります。
こうしたケースに適合しないかをあらかじめ確認し、再建築やリフォームができるかをチェックしましょう。
建て替えの流れ
法律や条例の問題をクリアできたところで、建て替えの準備を始めます。
具体的な流れは、次の通りです。
1.施工会社を選ぶ
新しい家を建築する施工会社選びから始めます。理想の家を建ててくれそうなところをいくつかピックアップし、複数の会社に設計プランや見積もりを依頼しましょう。
なお、最終的には1社に決めますが、見積額だけで比較するのではなく、担当者との相性、住み始めてからのメンテナンスや保証体制なども踏まえて比べることが大切です。
2.工事請負契約を結ぶ
施工会社を決めたら、工事請負契約を締結します。
その後、新しい家の間取りや仕様などの詳細を固めていきます。
建築プランが固まったら、建築確認申請書を提出します。
3.仮住まいに引越しする
建築プランの打ち合わせと並行して、不動産会社で仮住まいを探します。
そして、家の解体工事が始まる前に仮住まいへ引っ越します。
4.解体工事・新築工事
古い家の解体工事に着工します。
工事が完了したら、「建物滅失登記」を法務局に申請します。
その後、新しい家の工事を着工します。
5.引き渡し
新しい家が完成したら竣工検査を行い、必要な修繕などがあれば施工会社に依頼して対応してもらいます。
問題がなければ引き渡しとなり、新居へ引っ越します。
なお、新しい家が建ったことを法務局に届出する「建物表題登記」の申請も必要です。
また、住宅ローンを利用される方は「抵当権設定登記」も、同時に行いましょう。
建て替えにかかる費用一覧
建て替えの場合、土地の購入費は不要ですが、現在住んでいる家の解体工事費や諸費用など、さまざまなコストが必要です。
ここで、建て替えに必要な費用の詳細と目安の額をお伝えします。
解体工事費
古い家の解体工事にかかる費用です。費用の目安は、坪5~8万円くらい。
一般的には、木造の方が鉄骨造などより安くなります。
なお、金額は建物の構造や立地条件などによっても異なりますから、業者に見積もりを依頼して確認しましょう。
仮住まいへの引っ越し代
賃貸物件を仮住まいとする場合、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用と引っ越し代、工事期間中の家賃などが必要です。
建て替えの期間は、一般的な木造住宅なら6ヵ月くらいが目安。
工事が長引けば家賃の支払いが増えますので、資金計画は余裕をもって立てましょう。
測量費・地盤調査費
築年数の古い家だと、現況測量図が残っていないケースもあります。
その際には、方角や敷地内の高低差、隣地との境界などの測量を、改めて実施します。
測量費の目安は20~40万円です。
また、必要に応じて地盤調査も実施します。
調査費は5~10万円くらいですが、調査の結果、改良が必要な場合は百万円前後の工事費用がかかる場合があります。
新築工事費
新しい家の工事費は、建物の広さや仕様など、さまざまな条件によって異なります。
施工会社に見積もりを依頼して確認しましょう。
税金
税金には、印紙税や不動産取得税、登録免許税などがあります。
印紙税は、工事請負契約書に印紙を貼付して納めます。
工事費用によって納税額が異なりますが、仮に1,000万円を超え5,000万円以下の場合は1万円です。
不動産取得税は、建物の固定資産税評価額の4%(2024年3月31日までは3%)です。
なお、軽減措置が適用される場合、固定資産税評価額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)を差し引いた額に税率をかけて求めます。
火災保険料・地震保険料
火災保険料・地震保険料は、契約プランや建物の構造、物件のある地域などで変わります。
ちなみに、滋賀県で新築木造住宅を建てた時の火災・地震保険料の目安は、5年契約で5~17万円くらいです(保険額は建物が1,500万円、家財が300万円の場合)。
参考:i保険「火災保険料シミュレーション(戸建て)」
https://www.kasai-hoken.info/search/home/
住宅ローンの事務手数料・保証料
住宅ローンを利用する場合は、金融機関への事務手数料やローン保証会社への保証料が必要です。
仮に、2,000万円を借り入れたときの目安は40~80万円くらいです。
ただし、金融機関や保証会社によって費用は大きく異なります。
坪数ごとの建て替え費用相場
建て替えの費用は、さまざまな要因で一軒一軒違いますが、目安となるのが「物件の広さ」です。
業者によっては、坪単価が表示されているところもありますので、費用を求めるうえで参考になるでしょう。
仮に、解体工事費の坪単価が5万円、新しい家の工事費の坪単価が80万円とした場合、坪数ごとの建て替え費用の目安は次の通りです。
・30坪:2,550万円
・40坪:3,400万円
・50坪:4,250万円
・60坪:5,100万円
上記の費用は、あくまでも目安の額です。
なお、地盤改良が必要な場合は地盤改良費や特殊基礎工事などの費用が、また庭や塀なども新たに造る場合は外構工事費などが、別途必要になります。
建て替え時の資金計画の注意点
建て替え工事にかかる費用は、複数の段階に分けて支払うのが通例です。
たとえば、解体工事が終わった段階でその費用の支払いが生じますし、新しい家を建てる際にも着工金や中間金といった、工事の進捗にあわせて支払う必要があります。
資金計画を立てる際には、いつまでに、いくら用意しなければならないかを確認することが大切です。
なお、住宅ローンを利用する場合、融資の実行は引渡し後になります。
このため、解体工事費や新しい家の着工金や中間金などは、自己資金で用意しなければなりません。
自己資金では足りない方は、「つなぎ融資」を利用するのが一般的ですから、住宅ローンの申し込みと合わせてつなぎ融資も申し込みましょう。
建て替え費用を抑えるポイント
建て替え費用は、工夫次第で安く抑えることも可能です。
具体的な方法として、次のようなポイントがあります。
複数の会社に見積もりを依頼して比較する
工事費用は、施工会社によっても異なります。複数の業者に見積もりを依頼し、比較することで、工事費用を抑えることが可能です。
ただし、単に安い業者を選ぶのではなく、アフターフォローや保証体制なども含めて選びましょう。
シンプルな形状・間取りにする
複雑なデザインや部屋数の多い家だと材料費が増えるため、全体のコストがアップする傾向があります。
建築コストを抑えるには、シンプルな形状で部屋数の少ない家を建てることもポイントです。
自分で対応できる部分は自分でつくる
趣味がDIYという方なら、庭などの外構工事を自分で手掛けることにより、工事費用を抑えることも可能でしょう。
ウッドデッキやガーデニング用の庭など、自分で造れる方は家の完成後に自分で対応できないか検討しましょう。
建て替えかリフォームか迷ったときはどう決める?
建て替えだと予算オーバーになるおそれがある方は、「リフォーム」を検討するのも一手です。
ただ、「建て替えならできる」ことが「リフォームではできない」場合もあります。
どちらを選ぶかで迷ったら、それぞれのメリットとデメリットを参考にすると良いでしょう。
建て替えのメリット・デメリット
建て替えは、家の設計を1から決められるため、自由度の高さがメリットの一つです。
間取りも構造もゼロの状態から決められますし、構造上の問題で変更できないといった制約も少ないです。
「間取りを大きく変えたい」という希望がある方なら、建て替えの方が実現しやすいでしょう。
一方、建て替えのデメリットは、費用が高くなりやすいことです。
新しい家の工事費に加え、解体工事費、仮住まいの費用など、トータルコストが高くなります。
リフォームのメリット・デメリット
リフォームを選ぶいちばんのメリットは、費用を抑えやすいことでしょう。
家全体を改修するフルリフォーム・リノベーションでも、建て替えより安く抑えられるケースが多いです。
必要な箇所だけリフォームをするなら、工事費用を大幅に抑えられますし、工事内容によっては住みながら施工することも可能です。
仮住まいに引っ越す必要もありません。
ただし、築年数の古い家だと構造部分や土台の改修が必要な場合もあり、条件によっては建て替えとあまり変わらないケースもあります。
また、家の構造によっては間取りが制限され、実現できないことも出てくるかもしれません。
まとめ
古くなった家を建て替えることで、今の家族構成やライフスタイルに適した住まいを実現しやすくなります。
断熱性や耐震性を高めた家にすれば、快適かつ安心して過ごせる家も手に入るでしょう。
こうしたメリットは、リフォームでは実現できない家もあります。
まず、リフォームで実現できることを確認した上で、難しいようであれば建て替えを検討するという流れも一手です。
迷われたら信頼できる施工会社に相談し、判断されてはいかがでしょうか。
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