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ブログREPORT

【2024年】マイナス金利解除で住宅ローンはどうなる?今後の見通しも

この記事では、マイナス金利解除によって住宅ローンは今後どうなるのか解説します。

日本銀行は2016年からマイナス金利政策を実施していましたが、2024年3月に解除を発表しました。これに伴い住宅ローン金利の上昇が見込まれるため、今後ローンを選ぶ際にはさらに注意が必要です。

この記事では、マイナス金利解除がマイホームの資金計画に与える影響や住宅ローンの今後の見通しを解説します。解除を踏まえた家づくりの注意点も合わせてお伝えするので、住宅ローンの借り入れを検討している人はぜひこの記事を参考にしてください。

 

【この記事でわかること】
⚫︎日銀の金融政策とマイナス金利解除の背景
⚫︎マイナス金利解除が資金計画に与える影響
⚫︎マイナス金利解除による住宅ローンの今後の見通し
⚫︎マイナス金利解除を踏まえた家づくりの注意点

 

日銀の金融政策とマイナス金利解除の背景

ここでは、日銀の金融政策とマイナス金利解除の背景について、以下4点から解説します。

 

⚫︎日銀の金融政策とは?
⚫︎マイナス金利政策とは?
⚫︎マイナス金利を導入した経緯
⚫︎マイナス金利解除の理由

 

順番に見ていきましょう。

 

日銀の金融政策とは?

金融政策とは、オペレーションと呼ばれる公開市場操作などの手段によって、金利に影響を与えたり、通貨や金融を調節したりすることです。金融政策の基本方針は『金融政策決定会合』で決定され、その内容は日銀のホームページで確認できます。

日銀(日本銀行)は日本の中央銀行として、物価の安定や経済成長などを目的にさまざまな金融政策を実施しています。

日銀が実施している具体的な金融政策について知りたい人は、下記のページをご確認ください。

 

※参考1:金融政策丨日本銀行
※参考2:金融政策の概要丨日本銀行
※参考3:金融政策決定会合の運営丨日本銀行

 

マイナス金利政策とは?

マイナス金利政策(マイナス金利付き量的・質的金融緩和)とは、民間の金融機関が持つ日本銀行当座の預金に対して、▲0.1%のマイナス金利を適用する政策です。

民間の銀行が日銀にお金を預けると手数料が発生する構図を作り、民間銀行が個人や企業にお金を貸し出す動きを促進する目的がありました。

また、銀行と個人・企業間のお金の流れを作ることで、日銀が目標として掲げる「2%の『物価安定の目標』」を達成することも目的の1つとして挙げられます。

※参考1:「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入丨日本銀行
※参考2:2%の「物価安定の目標」丨日本銀行

 

マイナス金利を導入した経緯

マイナス金利が導入された経緯には、世界的に金融市場が不安定になっていたことや、デフレのリスクが高まったことが挙げられます。

マイナス金利政策が発表された2016年は、原油価格の下落や新興国・資源国の先行き不透明感などにより、経済が減速していました。景気回復や物価安定の達成には、企業や家庭が貯蓄から支出へお金を回すことが必要です。

そのため、日銀は民間銀行による企業や個人への貸出を加速して経済を活性化すること、物価上昇率を前年度の2%にしてデフレを脱却することなどを目標に、マイナス金利政策を導入しました。

※参考1:「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入丨日本銀行
※参考2:2%の「物価安定の目標」丨日本銀行

 

マイナス金利解除の理由

日銀は、2024年3月19日にマイナス金利政策を解除することを発表しました。解除の理由は、2%の物価安定目標を達成できる見通しになったと判断したからです。

NHKのニュースによると、新型コロナウイルスの流行やロシアのウクライナ侵攻などが要因となり、物価指数の上昇率は2022年4月以降、日銀の目標である2%以上となっています。また、物価の上昇に伴い賃金を上げる動きが広がっており、2024年7月時点では33年ぶりに賃上げ率が5%を超えて5.1%となりました。

上記の状況を踏まえ、物価上昇率は今後も2%前後で推移することや賃金が物価を上回る状況ができることなどの見通しができ、マイナス金利政策の解除に至りました。

※参考1:【詳しく】日銀 マイナス金利政策を解除 異例の金融政策を転換丨NHK
※参考2:春闘 賃上げ率の最終集計 平均5.10% 33年ぶりの高水準に 連合丨NHK

 

【2024年8月】日銀が政策金利の追加利上げを発表

日銀は、2024年8月より短期金利をもともとの0〜0.1%程度から0.25%程度に引き上げることを発表しました。

 

日銀は31日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標を「0〜0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げることを決めた。8月1日から適用する。利上げは、3月のマイナス金利政策の解除に続き今年2回目で、政策金利は約16年ぶりの水準に上昇する。同時に決定した国債買い入れ額の段階的縮小と併せ、金融政策の正常化が一段と進むことになる。
※引用:日銀、0.25%に利上げ 政策金利、16年ぶり水準―物価目標に自信、円安考慮・植田総裁丨時事通信(一部抜粋)

 

短期金利(短期市場金利)とは、返済期限が1年以内の貸し借りで使用される金利のことです。

短期金利を引き上げた理由は、物価上昇率を2%で安定する見通しがより明確になり、資金調達環境や金利動向などから把握できる金融緩和度合いを調整するべきだと判断したからです。

引き上げにより住宅ローン金利の上昇などに影響が出る見通しですが、時事通信社によれば、日銀の植田総裁は「政策金利は非常に低い水準で、強いブレーキが景気にかかるとは考えていない」との認識を示しています。

また今後の金融政策について、植田総裁は「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げていくことになる」としています。そのうえで、「年内にもう一段の金利調整があるかどうかは、これからのデータ次第」と強調しました。

※参考:短期市場金利丨日本銀行

 

マイナス金利解除が住宅ローン金利に与える影響

ここでは、マイナス金利解除が住宅ローンの金利に与える影響を解説します。

⚫︎変動金利に与える影響
⚫︎固定金利に与える影響

上記2点をそれぞれ見ていきましょう。

 

変動金利に与える影響

変動金利の場合、基準金利から引き下げ幅が差し引きされた金利が適用金利となります。

多くの銀行では、優良企業に対して1年以内の貸出をする際に適用する短期プライムレートを基に、基準金利を設定しています。引き下げ幅は契約時から完済まで固定であり、短期プライムレートの推移が変動金利に影響するでしょう。

NHKのニュースによると、マイナス金利解除や8月からの利上げを踏まえて、3大メガバンク(三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行)は、9月より短期プライムレートを0.15%引き上げると発表しました。他の銀行でも同様の動きが見られると考えられます。

短期プライムレートの上昇に伴い基準金利も0.15%ほど引き上げられると考えられるため、すでに変動金利のローンを契約している場合、今後の適用金利は基準金利の影響を受けるでしょう。

また、これからローンを契約する場合にも変動金利は上昇する可能性が高いといえますが、他の銀行との差別化のために利上げしない金融機関も出てくると予測できます。

※参考1:日本銀行のホームページに掲載されている「長期プライムレート」、「短期プライムレート」はどのようなものですか?丨日本銀行
※参考2:「短期プライムレート」引き上げの動き広がる 国内大手銀行で丨NHK

 

固定金利に与える影響

固定金利の住宅ローンをすでに契約している場合、適用金利は変化しないためこれまでと同様の返済を続けられます。ただし、10年固定など固定期間選択のローンを契約している場合、将来的に金利が上がると考えられます。

固定金利の期間が終了した際に固定金利か変動金利か選ぶことになるため、より負担を減らせるものを選ぶか、もしくは借り換えを検討しましょう。

これから固定金利の住宅ローンを契約する場合や借り換える場合、2024年9月以降に借り入れする場合は上昇すると考えられます。

マイナス金利解除や8月からの金利引き上げに伴う影響は、9月以降のローン金利に影響するでしょう。そのため、9月以降にローンを借り入れする場合には注意してください。

一方で、固定金利が影響を受ける長期金利は、世界的な金融市場に左右されます。日銀の政策のみでは固定金利は上昇すると考えられますが、欧米で今後金利が低下した場合は日本の固定金利も低下すると推測できます。

 

マイナス金利解除が資金計画に与える影響

ここでは、マイナス金利解除がマイホームの資金計画にどのように影響するかを見ていきましょう。

⚫︎返済額が増える
⚫︎返済期間が長くなる
⚫︎借入可能額が減少する

上記3点を1つずつ解説します。

 

返済額が増える

先述の通り、これから住宅ローンを借り入れ、もしくは借り換えする場合には、適用される金利が上昇する可能性が高いでしょう。金利が上昇するとローン返済額が増加するため、借り入れのタイミングや金利タイプなどは慎重に検討することが大切です。

また、すでにローンを契約している場合でも変動金利や固定期間の金利を選んだ場合には、今後金利が上昇して返済額が増えるリスクがあるので、経済の動向をこまめにチェックしましょう。

 

返済期間が長くなる

金利が上昇して返済額が増加すると、月々の返済額を抑えるために返済期間の延長を検討するケースがあります。返済期間を延ばせば毎月の返済額は抑えられますが、総返済額は増えることになります。

返済期間を延長する際には、将来的な収入変動やライフプランを考慮しながら長い視点で返済期間を立てましょう。

 

借入可能額が減少する

金利上昇の影響を受けると、借入可能額が減少するおそれがあります。毎月の返済額が同じだとしても借りられる金額が少なくなるため、希望物件を購入するための資金計画を見直す必要があるでしょう。

また、購入できる物件の選択肢も限定されると考えられます。

 

マイナス金利解除による住宅ローンの今後の見通し

先述の通り、マイナス金利解除を受けて3大メガバンクは短期プライムレートを引き上げると発表しました。短期プライムレートの引き上げに伴い、住宅ローンの変動金利は今後上昇すると考えられます。

固定金利の場合でも、マイナス金利解除によってしばらく引き上げられると推測されます。

金利上昇によってローン返済額が増加するほか、月々の返済額を抑えるために返済期間を延ばしたり、借り入れできる金額が減少したりするなどの影響が生じるでしょう。

今後、マイホームの購入を検討している人は、慎重な資金計画が必要です。

 

マイナス金利解除を踏まえた家づくりの注意点

ここでは、マイナス金利解除を踏まえて、家づくりで注意するべきポイントを解説します。

⚫︎事前にしっかりとシミュレーションしておく
⚫︎金利が上昇した場合でも返済できる範囲で借入額を設定する
⚫︎返済中であれば借り換えも視野に入れる

上記3点を1つずつ見ていきましょう。

 

事前にしっかりとシミュレーションしておく

住宅ローンを契約する前に、しっかりとシミュレーションを行うことが大切です。金利上昇の可能性を経済的な動向を踏まえて考慮し、返済額の影響を把握しましょう。

シミュレーションの際には、施工会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することがおすすめです。

 

金利が上昇した場合でも返済できる範囲で借入額を設定する

金利が上昇した場合に備え、返済額が増えても無理なく返済できる範囲で借入額を設定しましょう。現在の収入や支出だけでなく、将来的な収入変動も考慮することが大切です。

家族構成の変化や突発的な支出を踏まえた資金計画にしておくと、滞りなく安心して返済を進められます。

 

返済中であれば借り換えも視野に入れる

すでに住宅ローンを返済している場合、金利上昇に備えて借り換えを検討することも方法の1つです。借り換えにより、現在の金利よりも有利な条件でローンを組み直せる場合があります。

特に、変動金利を契約している人は早めに固定金利に借り換えることで、将来的な金利上昇リスクを回避できるでしょう。借り換えの際には、借り換えにかかる費用や月々の返済期間の変化を確認して検討しましょう。

 

マイナス金利政策の知識を深めライフプランを設計しよう

この記事では、マイナス金利解除による住宅ローンへの影響を解説しました。

低金利政策が終了したことにより、住宅ローンに適用される金利が上昇したり返済額が増加したりするなどの影響が考えられます。住宅ローンの借り入れを検討している人は、借り入れる銀行やプランを比較しながら慎重に検討しましょう。

マイホームの資金計画を含め家づくりについて不安や疑問がある人は、だいかねの家にご相談ください。滋賀県を中心に住宅を提供しており、家づくりに関するさまざまな相談をお客様に寄り添いながら承ります。

 

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