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40代でマイホームの購入は遅い?40代の住宅購入のポイント・注意点をわかりやすく解説
40代でマイホームを検討している人のなかには、「住宅ローンを返済できるか?」「そもそも審査に通るだろうか?」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、40代でも住宅ローンを利用して理想のマイホームを手に入れた人は、たくさんいらっしゃいます。
ただ、20代や30代にはない注意点もあるため、対策を講じることも大事です。
ここでは、40代の人が住宅ローンを利用してマイホームを検討するときに、知っておきたいポイントや審査に通るためのコツを紹介します。
40代でマイホーム購入は遅くない!購入時の平均年齢
そもそも、世間一般では何歳でマイホームを購入した人が多いのでしょうか。
国土交通省がまとめた調査報告書(※)によると、初めて住宅を購入する一次取得者の平均年齢は、「注文住宅が39.5歳」「分譲戸建住宅が37.5歳」という結果になっています。
また年代別に見ると、30代の割合が4割以上で最も多いですが、40代でも「注文住宅が22.6%」「分譲戸建住宅が25.2%」もいます。
マイホーム購入者全体の4~5人に1人は、40代の人なのです。
40代でも、マイホームを購入するのは決して遅くありません。
資金計画など必要な対策を講じれば、理想のマイホームを手に入れられるのです。
(※)参考:国土交通省 住宅局「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf
40代でマイホームを購入するメリット
40代だからこそ、マイホームを購入するのに適した理由がいくつかあります。
40代でマイホームを購入するメリットをお伝えしましょう。
ライフプランがほぼ固まっている
一般的に20代や30代の人は、これから家族が増えたり転勤・転職があったりと、今後の人生に不確定な要素が多いです。
場合によっては、家を増改築したり買い替えや建て替えをしたりする人もいるでしょう。家族構成が固まる40代であれば、部屋が足りなくなるといった心配がなく、また転勤や転職の可能性も低いため、ライフスタイルに合わせた家づくりがしやすいことがメリットの一つです。
頭金を用意しやすい
40代になれば、20代や30代よりも収入が増えて、一定の貯蓄がある人が多いでしょう。
その一部を住宅購入の頭金にすることで、住宅ローンの借入額を減らすことが可能です。
借入額が減れば、返済期間を短くしたり毎月の返済額を減らしたりと、返済負担を軽くできます。
また、頭金を多めに用意することができれば、金融機関からの信頼も得られ、審査に通りやすくなります。
老後を見据えた家を建てられる
老後の生活を見据えて家づくりができるのも、40代でマイホームを購入するメリットです。20代や30代で、老後の生活をイメージするのは難しいかもしれません。
40代になれば、必要なバリアフリー設備など老後も暮らしやすい家づくりがしやすくなります。
家づくりの際に、あらかじめ老後を見据えた設計をしておけば、将来のリフォーム負担を軽くすることも可能です。
40代で住宅ローンを利用するときのポイント
住宅ローンを利用するには、金融機関が定める条件を満たすことが大前提です。
その条件の一つに、年齢があります。
多くの金融機関では、住宅ローンの完済時年齢を80歳に設定しており、45歳までの人なら最長35年間の借り入れも可能です。
ただし、「完済するまで安定した収入があること」も、金融機関の審査基準になります。
定年後の収入は年金のみという人だと、借入希望額によっては審査に通らない可能性があるため注意が必要です。
40代の人が住宅ローンを利用する時は、定年後の返済額をできるだけ抑えられるように、資金計画の工夫が大切です。
具体的な工夫の一例を紹介しましょう。
頭金を増やす
まず考えたいのが、頭金(自己資金)をどれだけ用意できるかという点です。
頭金を増やせば借入額が減りますから、返済期間は短くなります。
一般的に頭金は、物件価格の1~2割くらいが目安とされますが、40代の人なら2割以上の額を用意できれば老後の返済負担を抑えやすくなります。
生活費や教育費、老後の貯蓄なども踏まえ、頭金を増やす方法を検討しましょう。
返済負担率を低めに設定する
返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額の割合を示す指標です。
借入可能額を試算する際に用いますが、この返済負担率を低めに設定することも40代のポイントです。
一般的に返済負担率は、25%以内にすると滞りなく返済できるといわれます。
ただ、40代の人だと借入額が多くなりすぎて、定年後の返済負担が重くなる可能性があります。
40代の人は、返済負担率を20%前後にするのをおすすめします。
借入可能額は減ってしまいますが、返済が始まってからの負担を抑えられ滞納リスクが下がります。
元金均等返済にする
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
一般的には元利均等返済を選ぶ人が多いですが、40代で年収の多い人であれば「元金均等返済」がおすすめです。
元金均等返済は、毎月の返済額に占める利息の割合が徐々に減っていく返済方式です。
融資実行直後の返済額は元利均等返済よりも高くなりますが、返済額は毎月減っていき、完済が近づく頃には元金のみの返済になります。
また、利息支払額も元利均等返済より少なく、トータルの返済額を抑える意味でも有効です。
繰り上げ返済をこまめに実行する
返済が始まったら、繰り上げ返済も検討しましょう。
繰り上げ返済は元金の返済に充てられますから、利息も減らせます。
小まめに実行すれば、返済期間を短くしたり毎月の返済額を抑えたりすることも可能です。
余裕があるときに繰り上げ返済を実行し、定年後の返済負担を抑えられるよう計画を立てましょう。
なお、退職金で繰り上げ返済する予定の人は、老後の生活に必要な資金をあらかじめ計算しておくことが大切です。
退職金を当てにすると、いざという時に使えるお金が足りなくなり、生活が困窮する可能性があります。
40代で住宅ローン審査に通るためのコツ
上記で説明したように、40代の人が住宅ローンの審査に通るためには、「できる限り定年までに完済する計画を立てる」ことが重要なポイントです。
そのほかにも、審査に通るためにおさえておきたいポイントがいくつかあります。
以下の点も、確認しましょう。
他の借金を減らす
40代の人なら、自動車ローンや教育ローンなど、ほかにも融資を受けている人もいらっしゃるでしょう。
こうした借金も、住宅ローンの審査に影響を与えるため、可能な限り減らすことをおすすめします。
先ほど説明した返済負担率には、住宅ローン以外の借金も含めて計算します。
つまり、借金が多いと住宅ローンの借入可能額が減ってしまい、希望額では審査に通らない可能性が高まるのです。
借金がある人は、完済するか可能な限り減らすよう努めましょう。
また、新たに借金をつくらないこともポイントです。
健康管理に留意する
住宅ローンの審査では、団体信用生命保険に加入するための審査もあります。
ほとんどの住宅ローンは、団体信用生命保険への加入が必須となっており、保険に加入できなければ審査に通りません。
40歳を過ぎると、健康に不安が出てくる人も増えます。
このため、日頃の健康管理も審査に通るための重要なポイントになるのです。
なお、健康に不安のある人は、フラット35のように保険への加入が必須ではない住宅ローンを利用するのも一手です。
ただし、万一のことがあると遺された家族にローン残債が引き継がれます。
家族に迷惑をかけないためにも、別途、生命保険への加入を検討しましょう。
40代の住宅購入における注意点
資金計画以外にも、40代の人がマイホームを検討するときは以下の点も考えておく必要があります。
将来を見据えた家づくりのポイントを紹介します。
子ども部屋の活用法
40代の方だと、お子さんが小学校高学年や中学生になっている家庭も多いでしょう。
間取りを考えるときに子ども部屋も計画したいところですが、実際に使用する期間はとても短いです。
仮に高校卒業まで使用する場合、子ども部屋は5~10年しか活用されません。
このため、子どもが家を離れた後の活用法も、考えておきたいところです。
書斎や趣味のスペースなど、すでに別の活用法を計画されている方なら、それを見据えてリフォームしやすい間取り計画を立てましょう。
バリアフリーを意識した家づくりに
高齢になると足腰が弱くなり、部屋を移動するのもつらく感じることがあります。
体が不自由になってもスムーズに移動できるよう、バリアフリーを意識した家づくりも検討したいポイントです。
たとえば、車いす生活になっても移動しやすいように玄関ドアや廊下の幅を広めに確保したり、手すりを設置するための下地を壁に埋め込んだり、段差の少ない間取りや滑りにくい床材を選んだりと、高齢になっても長く安心して暮らせる家づくりを考えましょう。
メンテナンス費用を貯蓄する
バリアフリーリフォームのほかにも、家を長く維持するには、さまざまな費用がかかります。
外壁や屋根の塗り替えだけでも、100万円以上の費用が必要です。
こうした修繕やメンテナンスの時期と費用を確認し、貯蓄計画を立てることも大切なポイントです。
まとめ
マイホームを購入する年齢は、人それぞれ。20代で購入する人もいれば、40代で購入する人もいます。
年齢に関係なく「マイホームが欲しい」と思った時が、購入に適したタイミングです。
ただ、40代になると資金計画を立てにくいと感じることもあります。
特に住宅ローンを利用する場合は、返済が滞らないように適正な借入額を決めることが大切ですし、将来のリフォーム負担を少なくするためのプランニングも必要です。
定年後の返済期間ができるだけ短くなるようしっかり計画を立て、長く安心して過ごせる家を手に入れましょう。
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