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住宅ローンの頭金は必須?頭金の目安やシミュレーション、頭金ゼロの注意点をまとめました
住宅ローンを組む際「頭金は必須なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
結論を先にいえば、頭金は必須ではないものの、必要なものだといえるでしょう。
実際に頭金ゼロでも申し込みは可能ですが、用意しておくことで得られる恩恵もあります。
今回は頭金が必要な理由はもちろん、目安となる金額や注意しておきたい点を解説します。
具体的なシミュレーションも含めて説明するので、これから夢のマイホームを購入しようと計画している方は参考にしていただけますと幸いです。
住宅ローンの頭金とは? 頭金が必要な理由
住宅ローンの頭金をわかりやすくまとめると「前もって貯めておくお金」と表現できます。
たとえば、銀行などの金融機関に3,000万円融資してもらうのと事前に頭金500万円を貯めておいて2,500万円融資してもらうのとでは、状況が変わります。
頭金があるだけで得られる恩恵もあるため、貯めておいて損はありません。
1. 審査に通りやすくなる
2. 毎月返済額を抑えられる
3. 返済総額を抑えられる
4. 返済期間が短くなる
5. 金利が安くなる
頭金を用意する魅力としては審査に通りやすくなることをはじめ、毎月返済額・返済総額を抑えられることや返済期間が短くなること、金利が安くなることなどが挙げられます。
必ずしも恩恵ばかりではないものの、頭金があるのとないのとでは経済的負担が変わってくるのです。
だからこそ、現時点で経済的に余裕があるのなら住宅ローンの頭金も貯めておくべきです。
住宅ローンの頭金はいくら必要?
住宅ローンの頭金の目安としては住宅購入にかかる総額の20%ほどとされています。
つまり、3,000万円の家を買うなら600万円の頭金を用意するのが理想ということです。
ただし、これはあくまでも一般的な住宅購入における目安となります。
頭金はマイホームが新築住宅なのか中古住宅なのかで大幅に変わってしまうほか、マンションなのか一戸建てなのか、注文住宅なのか建売住宅なのか、はたまた分譲住宅なのかによっても変わってしまいます。
そもそも、家庭ごとに経済事情は変わるため、具体的に頭金を「どれくらい用意すべきか」というのは一概にはいえません。
ただ、貯めておくことで返済生活が格段に楽になることは間違いないので、貯金できるほど余裕があるのなら貯金しておいて損はありません。
頭金ゼロでは住宅は買えないのか?
従来の住宅ローンでは物件価格のすべてをローンで賄うことはできませんでした。
ただ、最近では金融機関のほとんどが物件価格の100%まで融資可能となっています。
現に、頭金ゼロで住宅取得を目指す方も1~2割ほどいるとされ、頭金なしで夢のマイホームを手に入れることも不可能ではなくなっています。
ただし、頭金ゼロの場合は注意しておかなければならない点もいくつかあります。
次項にて頭金ゼロで家を購入するリスクについて見ていきましょう。
頭金ゼロの場合の注意点
住宅購入には諸費用(諸経費)と呼ばれるものが発生します。
なかには、税金や手数料など住宅ローンでは賄えない出費が発生してしまうわけです。
仮に、新築住宅の場合は物件価格の3~6%、中古住宅の場合は物件価格の3~9%の諸費用(諸経費)がかかるとされています。
この諸費用(諸経費)は原則現金払いとなるため、住宅ローンでは補えません。
つまり、頭金ゼロのまま住宅ローンを契約しても諸費用(諸経費)は別途現金で支払わなくてはならないというわけです。
そのため、手元に数十万円~数百万円単位の現金は必要となるでしょう。
頭金なしでは住宅ローンを組めない可能性がある
頭金なしの場合、金融機関によっては審査に落ちてしまう可能性があります。
潤沢な頭金があるという事実はそれだけで資金に余裕があるという印象を与え、金融機関の担当者にも「返済能力がある」と証明できます。
逆に、貯金0円の場合、金融機関の担当者はどうしても警戒せざるを得ません。
「安定した収入があるのか」「もしある場合はなぜ貯金できないのか」「ほかに借金があるのではないか」など多数の状況を懸念してしまうわけです。
そうなると、必然的に審査も通らなくなってしまいます。
頭金の有無だけで審査が左右されるというケースは稀ですが、それでも頭金はないよりあった方が審査にも通りやすくなると覚えておきましょう。
それだけでなく、融資を受ける際は返済負担率も忘れてはなりません。
返済負担率は年収400万円を境に30~35%までと決められている数値のことで、原則として返済負担率を上回る借り入れはできないようになっています。
実際に年収400万円の方が年間で200万円も300万円も返済するのは不可能に近いです。
そうした返済に対する負担率を表した割合、それが返済負担率となるわけです。
この返済負担率は30~35%以内とされますが、実際には10~20%以内が無理なく返済できるラインとされています。
頭金がまったくない場合、この返済負担率にも影響を与えてしまうこととなります。
欲しい物件によっては返済負担率の関係で住宅ローンが組めないこともあるくらいです。
だからこそ、頭金なしでの購入は避けましょう。
頭金を入れる場合の支払いシミュレーション
ここからは頭金を入れる場合の支払いシミュレーションを見ていきましょう。
1.借入金額3,000万円で頭金600万円の場合(固定金利0.35%で返済期間35年)
仮に借入金額3,000万円で頭金なしの場合、毎月返済額は7万5,903円となります。
これを返済総額に換算すると3,187万9,260円の支払いが生じてしまう計算となります。
ただ、頭金600万円を入れた場合は毎月返済額も6万722円となり、借入金額を2,400万円まで削減できただけでなく毎月返済額も約1万5,000円も節約できる計算となるわけです。
それにより返済総額も2,550万3,240円と大幅に圧縮できることがわかります。
2.借入金額4,000万円で頭金400~800万円の場合(固定金利1.5%で返済期間35年)
仮に借入金額4,000万円で頭金なしの場合、毎月返済額は12万2,473円となります。
これを返済総額に換算すると5,143万8,660円の支払いが生じてしまう計算となります。
ただ、頭金400万円を入れた場合は毎月返済額も11万226円となり、借入金額を3,600万円まで削減できただけでなく毎月返済額も約1万円節約できる計算となるわけです。
それにより返済総額も5,029万4,920円と大幅に圧縮できることがわかります。
さらに、頭金800万円を入れた場合は毎月返済額も9万7,979円となり、借入金額を3,200万円まで削減できただけでなく毎月返済額も約2万5,000円節約できる計算となるわけです。
それにより返済総額も4,915万1,180円と大幅に圧縮できることがわかります。
頭金の金額を決める際に注意したいポイント
ここまでの内容を読むと「頭金を貯めよう」と決意した方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、肝心なのは頭金の金額をどれくらいに設定するのかということです。
過度な目標を設定するとただ苦痛な生活を強いられるだけなので、大前提として「無理のない範囲で貯める」ことを実践するのがおすすめです。
1.生活資金を失ってしまうかもしれない
頭金の金額を決める際、生活資金をすべて削ってまで貯金しようとするのはNGです。
収入から税金や保険料が差し引かれ、手元に残ったお金のほとんどを頭金に回してしまっては自分たちの生活そのものが破綻してしまう可能性もあります。
そのため、あくまでも貯金は手取りの約10~20%に抑えておきましょう。
もし余裕があるのなら手取りの約30~40%ほど貯金に回してもOKです。
ただ、日常生活とは別途で冠婚葬祭などのライフイベントが発生することもあります。
それに加えて妊娠や出産などによる育児、両親や祖父母の介護など自分たちの生活資金以外にかかるお金というのもそれぞれのライフステージで発生します。
そのため、緊急事態に動かせるお金を残しておくことも重要です。
頭金の金額は生活資金や臨時資金とは別途で考えてみましょう。
2.購入予定の物件を逃してしまうかもしれない
頭金を高額に設定して何年もかけて貯金する人も珍しくはありません。
ただ、数年単位で頭金を貯めている間に目当ての物件を逃してしまうこともあります。
特に建物は選択肢も豊富ですが、土地には限りがあります。
頭金を貯めることに固執して数百万円を作ったとしても、物件がなくなってしまえば本末転倒です。
その結果、妥協して物件を購入するということにもなりかねません。
そのため、頭金は数年以内に貯められる金額に設定しましょう。
3.住宅ローン控除が少なくなるかもしれない
頭金を増やすほど、実は住宅ローン控除の恩恵が減ってしまいます。
住宅ローン控除はローン残高の0.7%が所得税・住民税から13年間控除される制度です。
この控除額は年末のローン残高によって決まるため、頭金を増やすほどに控除額も減ってしまいます。
そのため、無理をしてまで頭金を作ろうと考える必要はありません。
世帯収入が低ければ支払うべき所得税・住民税も低くなるので意図的に頭金を抑える必要はありませんが、過度に貯金しても取り越し苦労となる場合があるということです。
その点も加味して頭金の金額を設定すると無理なく貯められるのではないでしょうか。
4.完済が遅れてしまうかもしれない
住宅ローンの完済時期は定年に合わせるというのが王道のプランとなっています。
ただ、頭金を貯金しようとして住宅ローンの契約自体を5年ほど先送りする人もいます。
その場合、完済が遅れてしまうことになりかねません。
仮に25歳で35年ローンを組むと完済は60歳となります。
これを30歳まで貯金して遅らせた場合、完済は65歳となります。
昨今は35~40歳で家を持つ人もいるため、完済時の年齢は高齢化しつつあるのです。
ただ、世間一般の方が定年を迎える時期に完済しておかないと老後になってからもリタイアできずに返済生活が続く可能性も否めません。
それゆえに頭金は現実的に貯められる金額に設定し、定年を迎える頃には完済できるプランを練ることが重要です。
まとめ
住宅ローンの頭金は必須ではありません。
ただ、頭金があれば毎月返済額や返済総額を抑えられ、返済期間も短くできます。
それだけでなく住宅ローンの審査にも通りやすくなるなど、その恩恵は数え切れません。
その一方、無理に頭金を貯金しようと生活を切り詰めると諸費用(諸経費)が払えなくなったり、住宅ローン控除の恩恵が薄れてしまったりすることもあります。
そのため、頭金は無理のない範囲で用意することをおすすめします。
ちなみに、大金工務店では頭金に関することだけでなく住宅に関すること全般についてもご質問いただけますので、気兼ねなくご相談いただけますと幸いです。
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