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注文住宅の予算オーバーを防ぐにはどうする?原因やコストダウンの方法をわかりやすく解説
注文住宅を検討する上で、重要な要素の一つが「予算」です。
分譲建売住宅とは異なり、注文住宅は施主の思いを自由に詰め込めるため、気が付くと予算オーバーになる可能性があります。
予算オーバーを防ぐには、その原因をあらかじめ把握した上で対策を立てることも大切です。
そこで、注文住宅でよくある予算オーバーの原因や、オーバーしたときに考えたいコストダウンの方法をお伝えします。
注文住宅で予算オーバーしてしまう原因は?
まずは、注文住宅でよくある「予算オーバーの原因」について見ていきましょう。
土地代と建築費の予算配分をしていない
注文住宅を土地探しから始める方は、土地の購入費用も用意しなければなりません。
その費用と建築費との配分をあらかじめ決めておかないと、予算オーバーになりやすいです。
地域にもよりますが、一般的に土地代は全体予算の3~5割を占めるといわれます。
仮に、全体予算が3,000万円とすれば、土地代は900~1,500万円です。
これより高い土地を購入すると、建築にかけられる費用が少なくなり、結果、予算オーバーを招くことになります。
なお、土地によっては地盤改良が必要な物件もあります。
改良工事が必要な場合は、土地の状態や工法などによっては100万円を超えることもあるため、事前に確認することも予算オーバーを回避するポイントです。
建築費以外の費用を考えていない
土地代以外にも、注文住宅には建築費(本体工事費用)のほか、ガス工事や給排水工事といった「付帯工事費用」や、登記費用や引っ越し代などの「諸費用」も必要です。
これらの相場は、本体工事費用の1~2割くらいが目安といわれます。
この費用を考慮せず土地代と建築費だけで予算を組み、オーバーしてしまうケースも少なくありません。
注文住宅を検討するときは、全体でいくらになるのかを把握することも大切です。
設計にこだわり過ぎた
「一生に一度だから」と家づくりにこだわり過ぎて、予算オーバーになるケースも多いです。
設計の打ち合わせで、「あれもしたい」「これもしたい」と要望が増えていき、見積もりを取ったら「予算オーバーだった」という話も、よくあります。
一つでも多くのこだわりを実現したいという気持ちはわかりますが、一旦、立ち止まって「本当に必要なものか?」と冷静に判断することも、予算オーバーを防ぐためには必要です。
たとえば、家族で話し合ったこだわりをリストアップしたら、それらに「譲れないもの」「譲っても良いもの」など、優先順位をつけておくと判断しやすいでしょう。
注文住宅で予算オーバーした際に考えるべきコストダウンの方法
注文住宅には「定価」がありませんから、見積もりを確認して初めて予算オーバーを知る人は、たくさんいらっしゃいます。
では、予算オーバーをした場合に、どこを見直せば良いのでしょうか。
コストダウンを図るときのヒントを、いくつかお伝えしましょう。
建物の形状をシンプルにする
一般的にデザインにこだわった家は、建築費が高くなる傾向があります。
たとえば、凸凹の多い建物は外壁の量が増えるため建築費が高くなりますし、柱や壁の多い家も高くなりやすいです。
シンプルな形状にしたほうが建築費を抑えられますし、耐震性やメンテナンスなどの観点でも優れた家を建てやすくなります。
間取りを見直す
部屋数を最低限必要な数に抑えるのも、コストダウンのポイントです。
部屋数の多い間取りの家は、壁やドアなどを設ける費用が増えるため、建築費がアップします。
それに、間仕切りの少なくした方が開放的な住空間を作れるでしょう。
「将来、子ども部屋を増やしたい」という希望がある方なら、新築時には大きな部屋を一つ設けて、後から可動式の間仕切りを設置するといった工夫をすることにより、建築費を抑えられます。
また、キッチンや浴室といった水回りを集約することも、建築費を抑える一手です。
それぞれが離れていると、配管が長くなる上に工事も複雑になる場合があります。
また、水まわりを集約した方が家事動線も短くなり、住みやすい家をつくれるといったメリットもあります。
窓のサイズや数を見直す
開放的な住空間を作る上で、大きな窓を設けたり窓の数を増やしたりと考えている方もいらっしゃるでしょう。
ただ、こうした要望をかなえると建物の耐震性が低くなる恐れがあるため、柱や壁を頑丈にしなければなりません。
また、窓は外の熱を伝える部分ですから断熱性を高める工事も必要です。
こうした余計な工事が増えることで、建築費がアップする可能性が高まります。
窓の面積を小さくすれば建築費を抑えられるだけでなく、気密性や断熱性も高まり快適な住空間をつくりやすくなります。
オプション設備を見直す
理想の注文住宅を実現するため、オプション設備を多く採用された方は、「本当に必要な設備か」を再検討することも大切です。
たとえばシステムキッチンの場合、グレードをワンランク下げるだけで数十万円も安くなることがあります。
浴室の床や壁といった素材も、ランクを下げることで安くなることもありますし、オーダーメイドの部分を少なくするのも費用を抑えるポイントです。
もちろん、譲れないこだわりはコストカットしない方が良いので、「譲っても良いもの」から見直していきましょう。
また、太陽光発電システムは省エネ住宅には欠かせないアイテムですが、方位的な条件が良ければ検討しても良いでしょう。
売電による収入が期待出来なくなってきていますが、日々の電気代の削減につながり、結果的にはランニングコストの低減にもつながるので初期段階で検討しておいた方が良いでしょう。
設置費用に関しても屋根貸しタイプ等初期導入コストを抑えたプランなども有るので将来的な電気費用の上昇も見越したプランニングも検討されても良いかと思います。
このほか、後付けできるオプションは、住み始めてから設置を検討するのも一手です。
照明やエアコンなどは通販などで安価に購入した方が、工事費を含めても安くなることがあります。
床暖房のように後付けだと高額になるオプションを除き、後から設置できるものは住み始めてから検討しましょう。
床面積を減らす
一般的に、注文住宅の建築費用は「坪単価×床面積」が目安とされます。
このため、床面積を減らすことで建築費用を抑えることも可能でしょう。
たとえば、「3階建てを検討されている方なら2階建てに変更する」「中庭を設ける」といったことで建築費を安くできる場合があります。
ただし、床面積を減らすと居住空間も狭くなるため、住み心地に大きな影響を与えることがあります。
広々としたリビングや書斎などの趣味のスペースも、設けられないかもしれません。
予算が大幅にオーバーをしているときは、床面積の削減も検討する必要がありますが、それほどオーバーしていない場合はほかの方法から検討していくことをおすすめします。
金利の低い住宅ローンで契約する
住宅ローンの金利は、金融機関や商品によって異なります。
返済負担を抑えるには、金利の低い金融機関・商品を選ぶこともポイントです。
金利が0.1%違うだけで、トータルの返済額は数十万円から数百万円も変わってきます。
ただし、金利が低くても手数料や保証料などの諸費用が高いと、かえって高くなることもあります。こうした諸費用も含めて「トータルの返済額がいくらになるか」を検討することも大切です。
予算オーバーでも削らないほうが良い箇所
注文住宅のコストダウンを検討するとき、どこでも削減すれば良いというわけではありません。
長く安心して住み続けるには、「安心・安全・快適」といった要素は必要不可欠ですから、この要素に関わる部分でコストカットは検討しない方が良いでしょう。
具体的には、以下の部分はコストカットの検討から外すことをおすすめします。
耐震性に関わる部分
近年、大きな地震が多発する日本において、耐震性は安心・安全な家を建てる上で重要な要素の一つです。
このため、耐震性に関わる構造部分でコストカットの検討は、おすすめできません。
なお、大地震のリスクが低い地域であれば、耐震等級を下げることで建築コストを抑えられる場合もあります。
ただし、大地震で被災したとき、修繕費用に大きく違いが出る可能性があります。
また、耐震等級が上がると地震保険の割引率もアップして保険料が安くなります。
長い目で見ると、耐震性の高い家を建てた方が、トータルの住居費は安くなることもあるのです。
断熱材
断熱性能に関する部分も、コストカットしない方が良い箇所です。
ランクの低い断熱材を使用すると、建築費は安くても住み始めてからの光熱費が高くなってしまい、結果的に住居費が高くなります。
また、窓のランクもこだわりたい部分です。
低品質な窓だと結露が生じ、その水滴が壁の内部に浸入して建物の耐久性に影響を与える可能性があります。
特に大きな窓を設置したい方は、樹脂サッシやペアガラスの窓など断熱性能の高い商品を検討しましょう。
セキュリティに影響する箇所
防犯ガラスや屋外照明といったセキュリティに関わる設備も、できる限り削減したくない部分です。
高価なセキュリティシステムを採用しなくても、「庭に防犯砂利を敷く」「玄関のカギはディンプルキーにする」といった工夫でも、防犯性は高まります。
安心して暮らせるよう、対策を立てましょう。
まとめ
予算オーバーを防ぐには、「譲れない条件」「譲っても良い条件」など、こだわりに優先順位を決めておくことが大切です。
あらかじめ決めておけば、予算オーバーした際にも「どこをカットすれば良いか」を判断しやすくなります。
優先順位を家族で話し合った上で、施工会社とも相談しながら、設計を見直してみましょう。
なお、耐震性や断熱材など長く安心して暮らせる家を建てるために必要な要素は、建築費を抑えると住み始めてからの住居費が高くなる場合もあります。
コストを考える時は、長い目線で考えることも大切です。
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